プロジェクト モルックス 7
杉浦の同僚に中根という男がいた。相談してみると中根はなんと電動ノコギリを持っていた。
「これだ!」
暗闇の中に一筋の光明が見えた気がした。
しかし電動ノコギリであっても木材を斜めに切ることは危険だった。
「危険すぎる!」
中根が首を縦に振ることはなかった。
細い蜘蛛の糸であっても今はこれにしがみつくしかない。危険はわかっていたがモルック普及のため、杉浦は中根を説得し続けた。
杉浦は毎日中根に頭を下げた。
そしてついに中根が、折れた…。
続く…